犬殺いぬころし)” の例文
私は唯今筆を執りながら、犬殺いぬころしが犬を殺すところを頭に描いている。それは新橋から青山までのこの初めての車上で目撃した光景だ。或商家の天水桶のそばだった。
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
窮屈な燕尾服でつまらぬ夜会とかをのぞかうより、木綿縞もめんじま兵児帯へこおび犬殺いぬころしのステツキをもつて逗子の浜でも散歩した方が似合つて居た、と思うて最早斯うなつてはあとの祭
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)