屠犬児いぬころし)” の例文
門を出づる時、屠犬児いぬころしが、「姉御あんまりだ。」「ひどいじゃねえか。」とその気色を物色うかがえば、自若として、「なにまだ、あんな目に逢わせるのが二三人あるよ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「それでは、あらおおうのです、それにあの新聞も、在原の夫人おくさん屠犬児いぬころしに御恵みなすったことなどは、大層めたではございませんか。今停止をさせたでは卑怯ひきょうに当りますよ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
棍棒こんぼうを取れる屠犬児いぬころし、籠を担える屑屋、いずれも究竟くっきょうおのこ、隊の左右に翼たり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)