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あひなる
御咎めもなく却て御
目見仰付れし事
冥加至極有難き
仕合せなり方
丈樣へ御願ひと申すは
別儀にあらず私し主人儀無實の罪に
陷り近々御所置に
相成に付何卒御
衣の袖を
聞に
付猶さら氣の毒に思ひ此上御世話に
相成は兎も角も此衣類は當時不用の品ゆゑ
何卒御賣拂ひ御勘定下されよと互に
爭ひ居る折から半四郎は
立歸りしが今兩人の言葉を
退り人違ひにも候べし此長庵に於て御
召捕に
相成覺え更になしと
大膽にも
言拔んとするを
捕方の人々聲をかけ覺えの
有無は云ふに及ばず
尋常に
繩に掛れと大勢
折重なりて取押へ遂に繩を