“あかずのま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
不開室50.0%
密閉室50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さて松川に入塾して、たゞちに不開室あかずのまを探検せんとせしが、不開室は密閉したるが上に板戸を釘付くぎづけにしたれば開くこと無し。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
加州かしう金沢市古寺町ふるでらまち両隣りやうどなり一宇いちう大廈たいかは、松山なにがしが、英、漢、数学の塾舎となれり。もと旗野はたのへりし千石取せんごくどりやかたにして、邸内に三件の不思議あり、血天井ちてんじよう不開室あかずのま、庭の竹藪これなり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
不開室あかずのまの怪異とばかり想ひなし、かつ恐れ且あやしみながら、元来泣声ある時は、目出度めでたきことの兆候きざしなり、と言伝いひつたへたりければ、「いづれも吉兆にさふらひなむ」と主人を祝せしぞおろかなりける。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
思へば好事よきことには泣くとぞふなる密閉室あかずのまの一件が、今宵誕辰たんしんの祝宴に悠々いう/\くわんつくすをねたみ、不快なる声を発してその快楽を乱せるならむか、あはれむべしと夜着よぎかぶりぬ。眼は眠れどもしんは覚めたり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)