“とどめ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
止刀31.6%
15.8%
刺止10.5%
刺刀10.5%
5.3%
抑止5.3%
5.3%
止刺5.3%
止刺刀5.3%
止刺刃5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
と一声、もろくもそこに血煙りをあげてぶったおれた。刎ね起きた新九郎、何の猶予もなくブツリと止刀とどめを刺して
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
半可通の通がるは近頃の芸人の頻に素人めかしく肩をいからすと同じく倶に鼻持ちのならぬものなり。文章は絢爛を経て平淡に入り始めて誦すべく芸者は薄化粧の年増にとどめを刺すは申すまでもなし。
偏奇館漫録 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
『お市! これへ出ろっ。他人手ひとでを待つまでもない、肉親の父惣七が成敗してやる。——出ろっ、出ろっ。その後で、不義者の相手も刺止とどめを刺してくるるから』
夕顔の門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かたきを討たんとして、怨霊おんりょうのごとく、けまわしている間が、切実なる復讐の間で、たおして、仇の喉三寸に刺刀とどめを貫くことは、仇の罪業をゆるし、同時に彼を救ってやることになる。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
其の亭の周りのシンメトリカルに造られた四ツ弧形の花床には紅白黄紫の大輪菊がダリヤかと見えるようなはっきりした花弁をはねて鮮やかに咲きとどめて居る。
ガルスワーシーの家 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
夜が待ち遠い、秘密が慕わしい、抑止とどめようとかかっても、血は、鉄のくさりる——。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「このような者にとどめを刺す迄も御座るまいて……」
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ともがく手足を、更に一人の黒装束——大草額平が押さえつけ、玄蕃は存分な毒罵を与えた上、喉笛狙って止刺とどめの一刀を突き向けた。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おまけに「非国民の断髪令嬢、大威張りでパッカードを乗廻す」という新聞記事で止刺刃とどめを刺されてしまった。
超人鬚野博士 (新字新仮名) / 夢野久作(著)