『汗』
——お金が汗をかいたわ。」 河内屋の娘の浦子はさういつて松崎の前に掌を開いて見せた。ローマを取巻く丘のやうに程のよい高さで盛り上る肉付きのまん中に一円銀貨の片面が少し曇つて濡れてゐた。 浦子はこどものときにひどい脳膜炎を患つたため白痴であつ …
著者 | 岡本かの子 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
初出 | 「週間朝日」1933(昭和8)年5月 |
文字種別 | 新字旧仮名 |
読書目安時間 | 約4分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約6分(300文字/分) |
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