作品さくひん)” の例文
わたしがIとの事件じけんでM、H攻撃こうげきされたことを、わたし悲観ひかんしてゐるやうなことを、わたしわたし最近さいきん作品さくひんいたりしたので
微笑の渦 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
如何にも作者が熱情的ねつじやうてきで、直情徑行的ちよくじやうけいかうてきな人であるやうな氣持がしますけれども、最う一歩すゝめて、作品さくひんそこを味つてゐると
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
現在げんざい欧米おうべい出版界しゅっぱんかいには、った作品さくひん無数むすうあらわれてりますが、本邦ほんぽうでは、翻訳書ほんやくしょ以外いがいにはあまり類例るいれいがありません。
その時分じぶんには、すくない品数しなかずは、ますますすくなくなって、完全かんぜんなものとては、だれか、利助りすけ作品さくひんあいしていたごく少数しょうすうひと家庭かていのこされたものか、また
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
クリストフはがくらむような気がした。自分じぶんの名前、立派りっぱ表題ひょうだい、大きな帖面ちょうめん、自分の作品さくひん! これがそうなんだ。……彼はまだよく口がきけなかった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
ソログーブの最大傑作さいだいけっさくは『小悪魔しょうあくま』とされているが、われわれにもっと愛着あいちゃくかんじさせる、したしみぶか作品さくひん短篇たんぺんこと少年少女しょうねんしょうじょ主題しゅだいにした短篇小説たんぺんしょうせつである。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
あんずるに、くるまつて、作品さくひんれいするのであらう。厚志かうしあへて、輿こし駕籠かごやぶがさとをえらばぬ。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ほんにあつめたものは、その二ツ三ツをのぞいて、みんなわたしの獨創どくそうによる作品さくひんであります。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
「そりゃそうだろう、なみ作品さくひんだよ。」
ラクダイ横町 (新字新仮名) / 岡本良雄(著)
つまるところ、本書ほんしょ小櫻姫こざくらひめ通信者つうしんしゃ、Tじょ受信者じゅしんしゃ、そしてわたくし筆録者ひつろくしゃ総計そうけいにんがかりで出来できあがった、一しゅ特異とくい作品さくひん所謂いわゆる霊界れいかい通信つうしんなのであります。
私が「和解」を非常ひじやうに傑れた作品さくひんだと主張するに反して、井汲や小島は「和解」を餘り感心かんしんしてゐないのです。
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
だいつうじて寡作かさくでありましたうえに、名利みょうりというようなことは、すこしもかんがえなかったひとでしたから、べつに交際こうさいをしたひとすくなく、いい作品さくひんができたときは
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
胃弱ゐじやくにして、うちたてをこなしないがゆゑに、ぐちやり、ぐちやりと、つばとともに、のびた蕎麥そばむのは御勝手ごかつてだが、そのしたで、時々とき/″\作品さくひん批評ひへうなどするとく。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
竹村たけむらはそのことについて、その当時たうじべつ批評ひひやうがましい意見いけんをもたうとはおもはなかつたけれど、ずつとのちになつて振返ふりかへつてみると、彼女かのぢよかれ作品さくひん実際じつさい手紙てがみによつて
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
少年時代の快楽かいらく——詠唱曲アリア三拍子曲ミニュエット円舞曲ワルツ行進曲マーチ。ジャン・クリストフ・クラフト作品さくひんⅠ。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
しかしただ一人久保田さんが纎細せんさいみつ作品さくひんを書く人でありながら球突たまつきではひどく不器用ぶきようなのをのぞけばそれぞれに球突たまつきの中にも作品さくひんかんじがあらはれてくるからおも白い。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
……汝等なんじら此処こゝに、立処たちどころ作品さくひんかげあらはれたるまぼろし姿すがたたいして、れいきをぢざるや……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
教会きょうかいへあつまる子供こどもらのには、それぞれ特色とくしょくがあり、個性こせいがあらわれていたので、教会きょうかいでは、それらの作品さくひんをあつめて、一ぱんにしめす展覧会てんらんかいもよおすことになりました。
天女とお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれは、自分よりも長い生命いのちがあるにちがいないと感じたまご作品さくひんの中に、自分のまずい一節ひとふしをはさみ込むという、きわめてつみのないたのしみを、おさえることができなかったのである。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
かれ作品さくひんかれ盛名せいめいかれ手紙てがみ乃至ないし写真しやしんのやうなものから想像さうざうされた年少作家ねんせうさくか大久保おほくぼが、んなにうつくしい幻影げんえい憧憬心あこがれごころおほ彼女かのぢよ情熱じやうねつそゝつたかは、竹村たけむらにも大凡おほよ想像さうざうができるのであつた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
たまふり作品さくひんかんじがあらはれるといへば、じつわたしにとつてわすかたいのは亡き岩野泡鳴さんだつた。
文壇球突物語 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
小刀こがたなふくろをさめて、頤杖あごづゑしてつて老爺ぢいは、雪枝ゆきえ作品さくひんえて煙管きせるくはえた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
ひとたび土中どちゅうにうずもれた金塊きんかいは、かならず、いつかつちしたからひかりはなつときがあるように、利助りすけ作品さくひんが、また、芸術げいじゅつ愛好あいこうするひとたちからさわがれるときがきたのでした。
さかずきの輪廻 (新字新仮名) / 小川未明(著)
政治学せいぢがくとか社会学しやくわいがくとか、さうつた意味いみでの修養しうやうが、むしろかれあたらしいひろみちひらいてくれるだらうとおもつた。かれ特異とくい恋愛病れんあいびやうが、作品さくひんおもなる要素えうそであることが、のちになつて竹村たけむらにもわかつた。
彼女の周囲 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
これは無論むろん作者さくしやに對する一しゆ僻見へきけんかも知れませんが、事實じじつに於ては、私も氏の作品さくひんに強く心をかれ乍らも、どこかにまだ心持こゝろもちにぴつたり來ない點がないではありません。
三作家に就ての感想 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)