すつぽん)” の例文
寢顏ねがほ電燈でんとういとつたものであらう。嬰兒あかんぼかほえなかつた、だけそれだけ、懸念けねんへば懸念けねんなので、工學士こうがくしが——こひすつぽんか、とつたのはこれであるが……
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
てんで比べものにならないぢやないか! ほんとにさ! まるでお月さまとすつぽんほどの違ひだわ! 第一この侍從武官はおそろしくのつぺりした、だだつ廣い顏でさ
狂人日記 (旧字旧仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
二十三の年増盛りで、お芳の野暮やぼつたい樣子にくらべると、お月樣とすつぽんほどの違ひ。身の廻りの贅は兎も角、厚化粧で、媚澤山こびだくさんで、話をしてゐても愛嬌がこぼれさう。
「いまの、あの婦人ふじんいて嬰兒あかんぼですが、こひか、すつぽんででもりさうでならないんですがね。」
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)