“麻殻”のいろいろな読み方と例文
旧字:麻殼
読み方割合
あさがら66.7%
おがら33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
愛卿は枕頭まくらもとに坐って、死に面している老婆の顔を見て泣いていた。と、麻殻あさがらのような痩せた冷たい手がその手にかかった。
愛卿伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あめは、今でも埋火うずみびなべを掛けて暖めながら、飴ん棒と云う麻殻あさがらの軸に巻いて売る、にぎやかな祭礼でも、びたもので、お市、豆捻まめねじ薄荷糖はっかとうなぞは、お婆さんが白髪しらが手抜てぬぐいを巻いて商う。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
と唱えていたが、この終りの句の苧がら苧がらは、あるいは南秋田などの、前夜枕の下に敷いて寝た麻殻おがらを、翌朝川へ流す風習と関係があるのでないかと「牧の朝露」には言っている。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
漁師共のもりと、船とは、麻殻おがらのように、左右にケシ飛んでしまう。
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)