麻殻あさがら)” の例文
旧字:麻殼
愛卿は枕頭まくらもとに坐って、死に面している老婆の顔を見て泣いていた。と、麻殻あさがらのような痩せた冷たい手がその手にかかった。
愛卿伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
あめは、今でも埋火うずみびなべを掛けて暖めながら、飴ん棒と云う麻殻あさがらの軸に巻いて売る、にぎやかな祭礼でも、びたもので、お市、豆捻まめねじ薄荷糖はっかとうなぞは、お婆さんが白髪しらが手抜てぬぐいを巻いて商う。
茸の舞姫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その麻殻あさがらからは懐炉灰かいろばいが作られます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
それと同時に死骸は麻殻あさがらのように倒れてしまった。
太虚司法伝 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)