やつ)” の例文
その落いた魚屋やつの襟印を見て帳面に『一円五十銭……茂兵衛』とか何とか私共一流の走書きに附込んだやつさらうように引っ担いで走り出て行きます。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「こう、漁師りょうしたち。すずきでも鯉でもいいや、見事なやつを、二、三びきってよこしねえ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)