魚鼈ぎょべつ)” の例文
長岡の神田町では人家の北裏手に、三盃池さんばいいけという池がもとはあって、その水に住む魚鼈ぎょべつは皆片目で、食べると毒があるといって捕る者がなかった。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
(わしが死んでも、それには及ばんよ。ねがわくは魚鼈ぎょべつほどこし、禽獣きんじゅうかせてくれ)——と。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
重さ二両半、神力を以て百味の飲食おんじきを化成すれど、最後の一口変じて蝦蟇がまる、もし道心を発し仏僧を供養せば、その苦を免れ身を変じて蛇虺へびとかげと為るも、蝦蟇と金翅鳥こんじちょうに遭わず、黿鼉げんだ魚鼈ぎょべつを食い
魚鼈ぎょべつ居る水を踏まへて水馬みずすまし
五百句 (新字旧仮名) / 高浜虚子(著)
関羽は、于禁うきんを生捕り、龐徳ほうとくちゅうし、魏の急援七軍の大半以上を、ことごとく魚鼈ぎょべつの餌として、勢い八荒に震い、彼の名は、泣く子も黙るということわざのとおり天下にひびいた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぐん魚鼈ぎょべつとなる
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)