高麗焼こうらいやき)” の例文
旧字:高麗燒
私は一例を高麗焼こうらいやきりましょう。高麗焼は官窯かんようであって、貴族的な品物のうち最も美しいものの一つを代表します。何がそれを美しくさせているか。
民芸とは何か (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
行灯あんどん、といった世帯道具の半端物ですが、中には大擬おおまがもの高麗焼こうらいやきつぼ紫檀したんの半分欠け落ちた置物、某法眼ほうげんの偽物の一軸、古九谷の贋物にせものの花瓶——といった
一本は朝鮮の統監府にる友人あてで、先達せんだって送ってくれた高麗焼こうらいやきの礼状である。一本は仏蘭西フランスに居る姉婿あねむこ宛で、タナグラの安いのを見付けてくれという依頼である。
それから (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
例えば高麗焼こうらいやきと称する陶器の如き、今日残っているのは実に宝である。かくの如き陶器を造るところの技倆ぎりょうというものは容易でない。あれを見ても他にも巧妙なる工芸があったに相違ない。
東亜の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
例えばそう代の磁州窯とか、または高麗焼こうらいやきとか。しかしこれらのものがもつ卓越した美については、改めて説くほどもなく広く紹介されているからである。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
二階から下りた時、父はぎょくだの高麗焼こうらいやきだのの講釈をした。柿右衛門かきえもんと云う名前も聞かされた。一番下らないのはのんこうの茶碗であった。疲れた二人はついに表慶館を出た。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
坂井は道具屋がそれ以来乗気になって、自身に分りもしない書画類をしきりに持ち込んで来る事やら、大坂出来の高麗焼こうらいやきを本物だと思って、大事に飾っておいた事やら話した末
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)