首引くびっぴき)” の例文
これは近藤といって岡本がこの部屋に入って来てのちも一ごんを発しないで、だウイスキーと首引くびっぴきをしていた背の高い、一癖あるべき顔構つらがまえをした男である。
牛肉と馬鈴薯 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
新聞も漢語字引と首引くびっぴきで漸く読み覚えたという人だから、今の学校出の若い者と机を列べて事務をらされては、さぞ辛い事も有ろうと、其様そんな事にはうわの空の察しの無かった私にも
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
れから私は奥平おくだいらの藩に歎願して買取かいとっもらって、サアもうれでよろしい、この字引さえあればもう先生はらないと、自力じりき研究の念を固くして、ただその字引と首引くびっぴきで、毎日毎夜ひとり勉強
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)