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顎骨
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あごぼね
ふりがな文庫
“
顎骨
(
あごぼね
)” の例文
草地の端に若い武士がひとり立っている、
顎骨
(
あごぼね
)
のはっきりした、眉の濃い、眼の明るい、意志の強そうな顔である。
葦
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
医者のはなしでは
顎骨
(
あごぼね
)
を
腐蝕
(
ふしょく
)
した病毒が脳を冒せば治療の道がないとのことである。重吉が玉子と共に病院を出たのはその夜も十時を過ぎた頃である。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「うん、その
紙谷伸子
(
かみたにのぶこ
)
だが」とガクリと
顎骨
(
あごぼね
)
が鳴り、瞬間新しい気力が生気を吹き込んできた。「それがとりもなおさず、クニットリンゲンの魔法使さ」
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
古今東西の如何なる聖賢、英傑と
雖
(
いえど
)
も、一個のミナト屋のオヤジに出会ったら最後、鼻毛を読まれるか、
顎骨
(
あごぼね
)
を
蹴放
(
けはな
)
されるかしない者は居ないであろう。試みに
挙
(
こ
)
す。看よ。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
蒸気
(
むしけ
)
の陽気に暑がって
阿弥陀
(
あみだ
)
冠
(
かぶ
)
りに抜き上げた帽子の
高庇
(
たかびさし
)
の下から、青年の丸い広い額が現われ出すと、むす子に似た高い
顎骨
(
あごぼね
)
も、やや削げた
頬肉
(
ほおにく
)
も、つんもりした細く丸い顎も
母子叙情
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
銀子は
咽喉
(
のど
)
に湿布をして、右の
顎骨
(
あごぼね
)
あたりの肉が、まだいくらか
腫
(
は
)
れているように見えたが、目にも
潤
(
うる
)
みをもっていた。そして「今晩は」ともいわず、ぐったり
壁際
(
かべぎわ
)
の長椅子にかけた。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
恐ろしい緊張を
顎骨
(
あごぼね
)
や爪の根に
漲
(
みなぎ
)
らせることを忘れぬであろう。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
顎
常用漢字
中学
部首:⾴
18画
骨
常用漢字
小6
部首:⾻
10画
“顎”で始まる語句
顎
顎髯
顎鬚
顎髭
顎紐
顎打
顎杖
顎下
顎化
顎尖