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音訪
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おとず
ふりがな文庫
“
音訪
(
おとず
)” の例文
堪えかねて光代はひそかに綱雄のもとを
音訪
(
おとず
)
れぬ。綱雄は家にあらざりき。光代は時の許す限り待ちに待ちぬ。綱雄はついに帰らざりき。
書記官
(新字新仮名)
/
川上眉山
(著)
次第を話そうが、三日目のこの朝、再びお悦さんが私たちの旅宿に
音訪
(
おとず
)
れた。またどんな事情があって
昨日
(
きのう
)
の幹事連が押寄せないとも限らない、早く出よう。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さて
音訪
(
おとず
)
るる格子戸は、向うへ間を
措
(
お
)
いて、そこへ
行
(
ゆ
)
く手前が、下に出窓、二階が開いて、縁が見える。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
聞き
澄
(
すま
)
すと、潟の水の、
汀
(
みぎわ
)
の
蘆間
(
あしま
)
をひたひたと
音訪
(
おとず
)
れる
気勢
(
けはい
)
もする。……風は死んだのに、遠くなり、近くなり、汽車が
谺
(
こだま
)
するように、ゴーと響くのは
海鳴
(
うみなり
)
である。
鷭狩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
で、その下りる方へ半町ばかりまた足探り試みたのであるが、がけの陰になって、暗さは暗し、路は悪し、
灯
(
ひ
)
は遠し、思切って逆戻りにその饂飩屋を
音訪
(
おとず
)
れたのであった。
唄立山心中一曲
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
呼んだのは、室の
扉
(
ひらき
)
の外からだった——すなわち、
閨
(
ねや
)
の戸を
音訪
(
おとず
)
れられたのである。
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
低い格子戸を
音訪
(
おとず
)
れると、見通しの狭い廊下で、本郷の高台の崖下だから薄暗い。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
清葉は格子へ
音訪
(
おとず
)
れ兼ねた。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
音
常用漢字
小1
部首:⾳
9画
訪
常用漢字
小6
部首:⾔
11画
“音”で始まる語句
音
音信
音色
音沙汰
音楽
音頭
音曲
音声
音羽
音物