面目玉めんぼくだま)” の例文
と、挨拶したり、すぐ、ぼろの出る粗悪品を輸出したりして、大阪商人及び大阪人の面目玉めんぼくだまを、踏潰ふみつぶした、野郎共は、他国の、奴にちがいない。
大阪を歩く (新字新仮名) / 直木三十五(著)
………それもまあよい、あたし等夫婦が世間へ対して面目玉めんぼくだまつぶすだけならまだしも、雪子ちゃんの将来を滅茶々々にしてやろうとでも云うのだろうか。
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
……貴下あなたまへでござりますが、われながら愛想あいそきた不身持ふみもちでござりまして、毎々まい/\をとこ面目玉めんぼくだま溝漬どぶづけ茄子なすらうとするところを、幾度いくたびすくひいたゞいたかわかりません。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「後生だ兄き、そいつだけは、ゆるしてくれ。あんなにまで、道中禁酒の誓いを立ててきたのに、男としての面目玉めんぼくだまもまるつぶれだ。悪くすると山寨やまを破門になるかもしれねえ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「三したが、言うことがいいや。面目玉めんぼくだまをふみつぶしたって、お前なんざ、はじめっから、ふみつぶす面目玉がありゃアしないじゃないか。手を合わせて命乞いしたところを見たかったよ」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
面目玉めんぼくだまを踏みつぶしやしたよ
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)