靜寂せいじやく)” の例文
新字:静寂
なつかしい靜寂せいじやくを覺ゆる。中で最も親しみ深いそれを感ずるのは樹木を見る時である。また、森林を見、且つおもふ時である。
向う河岸を山谷堀に通ふ猪牙ちよきの音の繼續したのも暫し、やがて向島の土手は太古たいこのやうな靜寂せいじやくに更けて行きます。
玄竹げんちく今日けふ奉行役宅ぶぎやうやくたくが、いつもよりはさらしづかで、さびしいのにいた。るとともに、靜寂せいじやくくははつて川中かはなか古寺ふるでら書院しよゐんにでもるやうな心持こゝろもちになつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
海より海へと、靜寂せいじやくの邦の上に。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)