雑念ざつねん)” の例文
旧字:雜念
雑念ざつねんと云ふものは何処へか追払はれたらしい。考へれば考へるほど、腰が下して見たくなる。長々と寝そべつて見たくなる。
逆徒 (新字旧仮名) / 平出修(著)
ここに立つと、すべての雑念ざつねんを捨てねばならないのだが、教壇きょうだんにたって五年間、大石先生にとってこの時間ほど、ながく感じたことはなかった。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
わたくしはただ瀑布たきおとむようにして、こころしずめてすわってたまでで、そうするとなんともいえぬ無我むがさかいさそはれてき、雑念ざつねんなどはすこしもきざしませぬ。