障礙しやうげ)” の例文
我は進めり、わが導者はたえず岩に沿ひて障礙しやうげなき處をゆけり、そのさま身を女墻ひめがきに寄せつゝ城壁の上をゆく者に似たりき 四—六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「お助けを!」輕侮けいぶの念が冷くロチスター氏の心に來た——何か障礙しやうげが凋ませて了つたやうに、彼の怒りは消えて了つた。彼はたゞかうたづねたのみだつた。
巴豆はづといひ附子ぶしといふも皆是薬、障礙しやうげ悪神あくじん毘那耶迦びなやかも本地はすなはち毘盧沙那如来びるしやなによらい、此故に耆婆きばまなこを開けば尽大地の草木、保命ほうみやうの霊薬ならぬも無く、仏陀ぶつだ教を垂るれば遍虚空へんこくう鬼刹きせつ
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
きのふの目標めあて、あすの日はみち障礙しやうげ
不可能 (旧字旧仮名) / エミール・ヴェルハーレン(著)
障礙しやうげれぬ
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
ひとりの尊き淑女天にあり、わが汝を遣はすにいたれるこの障礙しやうげのおこれるをあはれみて天上のおごそかなる審判さばきを抂ぐ 九四—九六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
我はこのときその誰なるやをしり、疲れ今もなほ少しくわがいきをはずませしかど、よくこの障礙しやうげにかちて 一一五—一一七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
障礙しやうげを脱しつゝなほ下に止まらば、是かへつて汝における一の不思議にて、地上に靜なることの燃ゆる火における如くなるべし。 一三九—一四一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
こゝには憂へ憂ひをとゞめ、なやみは目の上の障礙しやうげにさへられ、苦しみをまさんとて内部うちにかへれり 九四—九六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
わが師曰ひけるは、マラコダよ、われ天意冥助によらずして今に至るまですべて汝等の障礙しやうげをまのかれ 七九—
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
されどのぼり障礙しやうげとなるもの夜の闇のほかにはあらず、この闇能力ちからを奪ひて意志をさまたぐ 五五—五七
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)