附会ふかい)” の例文
旧字:附會
いずくんぞ知らん、この一夢は、やがて曹家に代って、司馬氏が天下をとる前兆ではあった、と後になっては、附会ふかいして語る人々もあった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とにかく仏法の好名題をいちいち煩悩ぼんのうの求むるところのものに配合して、種々附会ふかいの説明を施して居る。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
単にその首だけが脱出蜿蜒えんえんして、何ものかを舐めたるが如く推断されたるは、夢、もしくは、夢中遊行の真相をらざるがために附会ふかいしたる一個の想像にして、実は本人が夢中遊行中
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
したがって種々いろいろの臆説がそれからそれへと附会ふかいされて、何だか神秘的の色彩を帯びた怪談が伝えられるようになってしまったのだ、要するに𤢖は、人間が漸次しだいに退化して所謂いわゆる猿人えんじんに近くなったものだと思えばい。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)