くらやみ)” の例文
灯台のともしびは、廻転する度に、その幅の広い、大きい、長い光芒を夜のくらやみに曳いて行つた。海は真闇で、船の灯らしい灯も見えなかつた。
波の音 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
「かうだ婆等ばゞあらだつてさうだに荷厄介にやつけえにしねえでくろよ、こんでぢやまあだれなくつちやくらやみだよおめえ、よめがあの仕掛しかけだもの」ばあさんはさら
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)