鑄型いがた)” の例文
新字:鋳型
うそまことか九十九辛棒しんぼうをなさりませ、きくのおりき鑄型いがたはいつたおんなでござんせぬ、またなりのかはることもありまするといふ、旦那だんなかへりときい朋輩ほうばいをんな
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
大概の人たちと異つた鑄型いがたにはめられて作られたとすれば、それはあなたの徳ぢやない。自然がこしらへたのです。そこで、結局、私はあんまり早く結論に來すぎてしまつた。
類想の鑄型いがためきて含めるところ少く、久く趣味上の興を繋ぐに堪へざること、眞の美のわづかに個想の境に生ずることをば、今や趣味識の經驗事實なりといひても、ほとんど反對者に逢はざるべし。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
「猪之助の家の土間で拾つた、土で拵へた鑄型いがたはありや何んです」