金泥こんでい)” の例文
死んで蘇る妃は、「十二ひとへにしやうずき、くれないのちしほのはかまの中をふみ、金泥こんでいの法華経の五のまきを、左に持たせ給ふ」
雲の上には、金泥こんでいの光り輝く靄が、漂ひはじめた。姫の命を失ふまでの念力が、筆のまゝに動いて居る。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
紺地に金泥こんでいのごとく、尊い処へ、も一つのへやには名も知れない器械が、浄玻璃じょうはりの鏡のように、まるで何です、人間の骨髄をとおして、臓腑を射照らすかと思う、晃々こうこうたる光を放つ。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
霧の底から海があらわれ、霧の上から朝のがさんさんと射る。一の二の洲の水尾木みおつくしも、順に点々と明け放れて、潮の満ち満ちてきた安治川一帯、紺の大水たいすい金泥こんでいを吐き流したよう。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
祈祷いのり永劫とは金泥こんでい
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
金岡かなをか金泥こんでいの厚さ
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
紺地こんぢかみ金泥こんでい
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
紫雲は一筋長くたなびいて、中央根本堂とも見える屋の上から、画きおろされた、雲の上には金泥こんでいの光り輝くもやが、漂いはじめた。姫の命を搾るまでの念力が、筆のままに動いて居る。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)