金平糖こんぺいとう)” の例文
俗に金平糖こんぺいとうというポツポツの頭髪でありますが、これをどうやっていか、丸太を使った日には重くなって仕事がえず、板ではしようもない。
二人ふたりいろとりどりの金平糖こんぺいとうを、天井てんじょうかってげあげてはそれをくちでとめようとしましたが、うまくくちにはいるときもあれば、はなにあたったり
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)
川越本場の味は格別、その頃の書生さんは、芋を羊羹、はじけ豆を金平糖こんぺいとうと称えて、本物よりは遥かに珍重。
明治世相百話 (新字新仮名) / 山本笑月(著)
「それから金平糖こんぺいとうもね、ちいちゃいのは頬ばるのに面倒だから、鬼みたいな大粒のやつがいいよ。」
蜜のあわれ (新字新仮名) / 室生犀星(著)
鉄で作った金平糖こんぺいとうのようなえらの八方へ出た星を、いくらかゆがみなりにできた長味のある輪から抜き取るのや、象牙ぞうげでこしらえた小さい角棒の組合せから、糸でつないだ
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
金平糖こんぺいとうだの、胡桃だのを持って来て、水も漏らさぬ愛情を表わす、とろけるような甘ったるい声で、『さ、ああんと口をおあきなさい、美味しいものを入れてあげますから』
お里は茶をいれて、振出しの箱のなかから金平糖こんぺいとうなどを出した。
両国の秋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
しばらくしてげんさんは、ガラスつぼから金平糖こんぺいとう一掴ひとつかみとりすと、そのうちの一つをぽオいとうえげあげ、くちでぱくりとけとめました。そして
牛をつないだ椿の木 (新字新仮名) / 新美南吉(著)