金岡かなおか)” の例文
巨勢こせ金岡かなおかもあります、光長も、信実のぶざねもあります、土佐もあります、雪舟せっしゅう、周文、三阿弥あみ、それから狩野家にも古法眼こほうげんがあります、その後に於ても探幽があり、応挙があり……
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
金岡かなおかはぎの馬、飛騨ひだ工匠たくみりゅうまでもなく、電燈を消して、雪洞ぼんぼりの影に見参らす雛の顔は、実際、ればまたたきして、やがて打微笑うちほほえむ。人の悪い官女のじろりと横目で見るのがある。
雛がたり (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ある商人の書画をこのみてもてあそぶものありしが、その購入する所を聞くに、金岡かなおかが観音の像一てい代価千両なり。徽宗きそうの桃に鳩の絵わずかに長さ五、六寸に広さ六、七寸なる小幅が同じく千両なり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)