酌交くみかは)” の例文
得たれば久々ひさ/″\にて一ぱいのまふと或料理屋あるれうりや立入たちいり九郎兵衞惣内夫婦三人車座くるまざになりさしおさへ數刻すうこく酌交くみかはせしがやゝ戌刻過いつゝすぎやうやく此家を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
『お見立みたて』と言つて、別離わかれの酒を斯の江畔かうはんの休茶屋で酌交くみかはすのは、送る人も、送られる人も、共に/\長く忘れまいと思つたことであつたらう。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
この貴婦人こそ富山宮子にて、今日夫なる唯継ただつぐともに田鶴見子爵に招れて、男同士のシャンペンなど酌交くみかはを、請うて庭内を遊覧せんとて出でしにぞありける。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
還り多時しばらく酒など酌交くみかはす様子なりしが、高声一つ立つるにもあらで、唯障子を照すともしのみいとさやかに、内の寂しさは露をも置きけんやうにて、さてはかの吹絶えぬ松風に
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)