邪悪じゃあく)” の例文
旧字:邪惡
三角ひげが、異様にふるえ、ロイドめがねの中の、両眼がグッとほそくなって、みるみる、邪悪じゃあく形相ぎょうそうにかわってきました。
怪奇四十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
どのような邪悪じゃあくと難苦にも抵抗ていこうして、堂々と歩いてゆける自信がお父さんの心の底からきあがってきた。
親馬鹿入堂記 (新字新仮名) / 尾崎士郎(著)
疑いもなしに受けれられるし、労働者とか人民とかいえば純真で善良だが、資本家とか官僚とかはすべて傲慢ごうまん邪悪じゃあくだというような言い方が、平気で通用する。
政治学入門 (新字新仮名) / 矢部貞治(著)
邪悪じゃあくな慾望を持った者たちの上に、おそろしい災難が落ちかかるのは、あたり前だ。わしは彼らに同情する気がおこらない。わしは恐竜の方に味方する。あの人たちが何を
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかし邪悪じゃあくな呂宋兵衛は、たちまちそれにつけあがって陰謀いんぼうをたくらみ、さくをもって、小角を殺し、配下はいか野武士のぶしを手なずけ、人穴の殿堂でんどうを完全に乗っ取ってしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いつの世にも邪悪じゃあくは正義の敵ではありません。悪いやつは、かならずほろびるときがくるのです。
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)