逸人いつじん)” の例文
このときをむなしく逸人いつじんとして草廬そうろかんぬすむをいさぎよしとせず、同志張飛その他二百余の有為のともがらと団結して、劉玄徳を盟主と仰ぎ、太守の軍に入って
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「七役早替。敵討記乎汝」六樹園作、酔放すいほう逸人いつじんの六冊物が世に出たのは文化五戊辰年ぼしんのとしであった。
仇討たれ戯作 (新字新仮名) / 林不忘(著)
牧之ぼくしあんずるに、橘春暉たちばなしゆんきあらはしたる北囱瑣談ほくさうさだん(後編の二)蔵石家ざうせきかの事をいふくだりいはく、江州山田の浦の木之内古繁こはん、伊勢の山中甚作、大坂の加嶋屋源太兵ヱ、其外にも三都の中の好事家かうずか侯国こうこく逸人いつじん
貸本屋へしけ込むのは、道士逸人いつじん、どれも膏切あぶらぎった髑髏しゃれこうべと、竹如意ちくにょいなんだよ——「ちとお慰みにごらん遊ばせ。」——などとお時の声色をそのまま、手や肩へ貸本ぐるみしなだれかかる。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いかに自分の弟だからといえ、詩ばかり作って超然と逸人いつじんきょうを独りたのしんでいる曹植を、諸臣のてまえ、文帝もついにはこれを黙視してはいられなくなった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
牧之ぼくしあんずるに、橘春暉たちばなしゆんきあらはしたる北囱瑣談ほくさうさだん(後編の二)蔵石家ざうせきかの事をいふくだりいはく、江州山田の浦の木之内古繁こはん、伊勢の山中甚作、大坂の加嶋屋源太兵ヱ、其外にも三都の中の好事家かうずか侯国こうこく逸人いつじん