進上しんじょう)” の例文
その時橋本は、うんそうか、おれはまた三十銭がた買って来ようと思ったら、三十銭ぐらいなら進上しんじょうすると云ったよと澄ましていた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
進上しんじょう飾物かざりもの山をなし(上巻第四図)やがて顔見世中村座木戸前きどまえの全景(上巻第五図)より市村座劇場内(第六図)を見てすぐれば
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
よだれくり進上しんじょう、お饅頭まんじゅう進上しんじょう」と、お美夜ちゃんは涎くりの手まねやら、お饅頭をこねたり、あんをつめたり、ふかしたりの仕草しぐさ、なかなかいそがしい。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
新盆にいぼんに、切籠きりこげて、父親おやじと連立って墓参はかまいりに来たが、その白張しらはりの切籠は、ここへ来て、仁右衛門爺様じいさまに、アノ威張いばった髯題目ひげだいもく、それから、志す仏の戒名かいみょう進上しんじょうから、供養のぬし、先祖代々の精霊しょうりょう
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「むこうの辻のお地蔵さん、よだれくり進上しんじょう、お饅頭まんじゅう進上しんじょう、ちょいときくから教えておくれ」
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)