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逆羽
躍り出た二人はすでに、二羽の
闘鶏が、
逆羽を立てて、戦意を
研ぎ合う姿だった。
この
軍鷄の
勢へる見れば
頸毛さへ
逆羽はららげり風に立つ
軍鷄
と、よけいに
突きつけると、うるさいとでも感じたか、
金瞳黒羽の
大鷲、
嵐に吹かれたようにムラムラと
満身、
逆羽をたててきた。
その底にすむ
金色の
瞳、かしらの
逆羽、見るからに
猛々しい真黒な
大鷲が、足の
鎖を、ガチャリガチャリ鳴らしながら、
扇山の
石柱の上にたって、ものすごい
絶叫をあげていた。