迂廻うくわい)” の例文
お葉は十分にしぶりながらも、かなりの好奇心を燃やしてゐるらしく、八五郎に引かれて庭を迂廻うくわいして、離屋の前に立つてゐるのです。
勘次かんじ黄昏たそがれちかくなつてからひとり草刈籠くさかりかご背負せおつてた。かれ何時いつものみちへはないでうしろ田圃たんぼからはやしへ、それからとほ迂廻うくわいして畑地はたちた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
これは本町を西に進んで、迂廻うくわいして敵の退路を絶たうと云ふ計画であつた。しか一手ひとてのものがことごとあとへ/\とすざるので、脇等三人との間が切れる。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
馬車は夕陽を浴びつゝ迂廻うくわいして、やがて悠々いう/\華族会館の門を入りぬ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
坂本が防備の工事をしてゐるうちに、跡部は大塩の一行が長柄町ながらまちから南へ迂廻うくわいしたことを聞いた。そして杣人足そまにんそくの一組に天神橋てんじんばし難波橋なんばばしとの橋板をこはせと言ひ付けた。
大塩平八郎 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)