トップ
>
辺陬
>
へんすう
ふりがな文庫
“
辺陬
(
へんすう
)” の例文
辺陬
(
へんすう
)
熱帯
瘴癘
(
しょうれい
)
の蛮地であって、これを画測するにも容易ならざる歳月と費用とを要すべく、加うるに多大の危険と戦わねばならず
令嬢エミーラの日記
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
芭蕉を中心とした元禄の盛時は、その身辺に才俊を集め得たのみならず、遠く
辺陬
(
へんすう
)
の地にまで多くの作家を輩出せしめた。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
九州でも今の地理からすれば
辺陬
(
へんすう
)
と称しても好い土地に祖先以来の
屋形
(
やかた
)
がある。小高い野づかさが縦に列んでいるのが特異な景観として目につきやすい。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
そして浮浪の士と
辺陬
(
へんすう
)
の書生に名と富と権力とを与えた。彼等のつくった国家と社会とは百年を保たずして滅びた。徳川氏の治世より短きこと三分の一に過ぎない。
冬日の窓
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
われわれの物ずきに近い足跡を語る前に、まずその地理について説明を加えなければならぬほど、そこは
辺陬
(
へんすう
)
に属する場所であり、同時に山の持つ秘密な境地であったかもしれない。
二つの松川
(新字新仮名)
/
細井吉造
(著)
▼ もっと見る
それにもかかわらずなお今日に至るまで国の
辺陬
(
へんすう
)
に住む多くの農民の間に、幽かとは言えない程度に、古い世の慣行の一致を持ち伝えていたということは、新たな学問の興隆のため
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
猿楽は寺坊の間から起ってこれらの将軍と公卿との
寵児
(
ちょうじ
)
となり、更に慰楽に飢えた民衆一般の支持をうけ、遠く
辺陬
(
へんすう
)
の地にまで其の余光を分った。能面の急激な発達は
斯
(
か
)
くして成就せられたのである。
美の日本的源泉
(新字新仮名)
/
高村光太郎
(著)
「山坂」云々はいかにもそのころの
辺陬
(
へんすう
)
の感じがあらわれていて
我が円朝研究:「怪談牡丹灯籠」「江島屋騒動」「怪談乳房榎」「文七元結」「真景累ヶ淵」について
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
しかも片や
羅馬
(
ローマ
)
古代史、片や海洋学の世界的権威二人の
碩学
(
せきがく
)
が、ボカス・デルトーロの
辺陬
(
へんすう
)
から世界的な重大発表をするらしいという噂が
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
昨年七月十日
亜留然丁
(
アルゼンチン
)
のセミーリア州、アンデスに源を発するコロラド河がバヒア・ブランカ湾に注ぐ
辺陬
(
へんすう
)
ボカス・デルトーロの村の海岸に
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
北海道の
留萌
(
るもい
)
港……正確に言えば、
天塩国留萌郡留萌町
(
てしおのくにるもいぐんるもいまち
)
であろうが、もちろんこんな
辺陬
(
へんすう
)
の一小港などが諸君の関心を
惹
(
ひ
)
いていようとも思われぬ。
生不動
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
剣橋
(
ケンブリッジ
)
大学の教授アンドリウス・ケネディ博士が、この
辺陬
(
へんすう
)
ボカス・デルトーロの村へ招ばれてやって来たというのは、実にこういう
経緯
(
いきさつ
)
からであった。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
“辺陬”の意味
《名詞》
片田舎。
(出典:Wiktionary)
辺
常用漢字
小4
部首:⾡
5画
陬
漢検1級
部首:⾩
11画
“辺”で始まる語句
辺
辺鄙
辺幅
辺僻
辺土
辺疆
辺隅
辺陲
辺塞
辺洪