はづ)” の例文
清宮秀堅がこゝに心をとめて、「将門は凶暴といへども草賊と異なるものあり、良兼を放てる也、父祖の像を観て走れる也、貞盛扶の妻をはづかしめざる也」
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
今日こんにち世界せかいゆうする地震學參考書ぢしんがくさんこうしよ中堅ちゆうけんをなすものであつて、これ事業じぎようは、日本地震學會時代につぽんぢしんがつかいじだいおい專有せんゆうしてゐたわがくに名聲めいせいはづかしめなかつたといへるであらう。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
金色の處女をとめ——お靜の上に加へられる、あらゆるはづかしめと、怪奇至極の大儀式が、斷片的に平次の眼と耳に燒き付けられながら、そのまゝ遠い/\過去の出來事のやうに
私はもう心の中から嬉しさがこみ上げて來る、——二十年前、父親の受けたはづかしめと怨みは、年と共に私の胸から薄れて行くが、たつた今、この私の前でくり返しくり返し言はれる禮の言葉は