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躊
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ため
ふりがな文庫
“
躊
(
ため
)” の例文
私は門のところに
躊
(
ため
)
らひ、
芝生
(
しばふ
)
の上に
躊
(
ため
)
らつた。鋪石道を往き
復
(
かへ
)
りした。
硝子戸
(
ガラスど
)
の
鎧戸
(
よろひど
)
は
閉
(
しま
)
つてゐて内部を見ることは出來なかつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
「それが、
鍵盤
(
キイ
)
の中央から見ますと、ちょうどその真上でございましたわ」と伸子は
躊
(
ため
)
らわずに、自制のある調子で答えた。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「その大切なしんがりのお役目を拙者が引き受けて進ぜる、——何を
躊
(
ため
)
らうことあろう、さっさと人員を割りつけなさい」
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
「なぜお
躊
(
ため
)
らい召さる。征夷将軍がお墨付に
対
(
むか
)
って、乗物のままは無礼でござろうぞ。
匇々
(
そうそう
)
に土下座さっしゃい」
旗本退屈男:05 第五話 三河に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
小姓は持っていた
佩刀
(
はかせ
)
を、
刀架
(
かたなかけ
)
にかけて去った。内膳はちょっと
躊
(
ため
)
らったが、しかしこれも
入側
(
いりがわ
)
へさがった。
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
もし作り
更
(
か
)
え、作り直し、迷い
躊
(
ため
)
らって作るなら、美はいつか生命を失うであろう。あの奔放な味わいや豊かな雅致は、
淀
(
よど
)
みなき冴えた心の現れである。そこには
活々
(
いきいき
)
した自然の勢いが見える。
工芸の道
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
おせいは
水月
(
みぞおち
)
に切りこむようにこみ上げてくる痛みを、帯の間に手をさしこんでじっと押えた。父はおせいのあまりに思い入った様子に思わず
躊
(
ため
)
らって、しばらくは言葉をつぐこともできなかった。
星座
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「いいえ、
竪琴
(
ハープ
)
の前枠に手をかけていて、私は、そのまま
凝
(
じ
)
っと息を
凝
(
こ
)
らしておりました」と伸子は
躊
(
ため
)
らわずに、自制のある調子で云い返した。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
弱々しく
躊
(
ため
)
らいがちな、
爪尖
(
つまさき
)
で歩くようにさえ聞えた。高雄は妻が坐るまで黙っていた。それから眼をあいて岳樺の枝を見あげ、薄く
霞
(
かすみ
)
をかけたような空の青を眺めた。
つばくろ
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
急がず、
躊
(
ため
)
らわず、お前の個性の生長と完成とを心がけるがいい。
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
怪しみながら
躊
(
ため
)
らっているのを
旗本退屈男:11 第十一話 千代田城へ乗り込んだ退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「夢じゃないわ、もしか夢だったとしても、貴方がその気になれば」千代はちょっと
躊
(
ため
)
らった
七日七夜
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
いったいレヴェズの処置に
躊
(
ため
)
らっているのは、どうしたということなんだい。考えても見給え。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
躊
漢検1級
部首:⾜
21画
“躊”を含む語句
躊躇
御躊躇
躇躊
躊躇逡巡