足搦あしがら)” の例文
又五郎はなお二つ三つ、平手打ちをくれ、足搦あしがらみをかけてひき倒すと、お石の上へ馬乗りになり、ぐっと押えつけて動かさなかった。
おれの女房 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
痛かったから勘太郎を垣根へ押しつけておいて、足搦あしがらをかけて向うへたおしてやった。山城屋の地面は菜園より六尺がた低い。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は散々此勘ちゃんにいじめられた。初こそ悔しがって武者振り付いても見たが、勘ちゃんは喧嘩の名人だ。すぐ足搦あしがら掛けて推倒おしたおして置いて、馬乗りに乗ってピシャピシャつ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
いきなりにら臭せえ息かなんかふわアと吹っかけておいて、こっちが目がくらんでぼうとしているのを見すますと、今度は足搦あしがらみにして投げ出して、さんざ踏んづけたうえ、おまけにアンタ
じあげた手をそのまま、足搦あしがらみに懸けて、前へ仆そうとすると
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
痛かつたから勘太郎を垣根へ押しつけて置いて、足搦あしがらをかけて向へ斃してやつた。山城屋の地面は菜園より六尺がた低い。
坊っちやん (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
幹太郎は川岸のほうへ大きく跳び、二度、三度と突っかけて来る安の匕首をわしながら、さっと相手のきき腕を取ると、足搦あしがらみをかけて投げとばした。
花も刀も (新字新仮名) / 山本周五郎(著)