走行はしりゆ)” の例文
今は「風吹くな、なあ吹くな」と優き声のなだむる者無きより、いかりをも増したるやうに飾竹かざりだけ吹靡ふきなびけつつ、からびたる葉をはしたなげに鳴して、えては走行はしりゆき、狂ひては引返し
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
悪心むらむらとおこり、介抱もせず、呼びもけで、わざ灯火ともしびほのかにし、「かくてはが眼にも……」と北叟笑ほくそゑみつゝ、しのびやかに立出たちいで、主人あるじねや走行はしりゆきて、酔臥ゑひふしたるを揺覚ゆりさまし
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)