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赤錆
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あかさ
ふりがな文庫
“
赤錆
(
あかさ
)” の例文
赤錆
(
あかさ
)
びたような白髪の、そして同色の
顎髯
(
あごひげ
)
を伸ばした、常時みずばなを垂らしている老人を伴れて来て、自分の家に泊めて
長屋天一坊
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
門には
赤錆
(
あかさ
)
びた鉄板の
扉
(
とびら
)
が、さも厳重に閉まって、
覗
(
のぞ
)
いてみるような
隙間
(
すきま
)
もなく、広い邸内はヒッソリと静まり返って、人のけはいもなかった。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
赤錆
(
あかさ
)
びたトタン張りの
小舎
(
こや
)
が点在して色のさめた洗濯物やボロ
蒲団
(
ぶとん
)
など乾してあるのが哀れに目立つ戦災風景だつた。
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
赤錆
(
あかさ
)
びてゆがんだ石油タンクや、打ちこわされた軍事施設が、ところどころに
残骸
(
ざんがい
)
をさらしていた。
秘境の日輪旗
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
恰度
(
ちょうど
)
、雨が降りしきっていましたが、向うから
赤錆
(
あかさ
)
びたトタンの切れっぱしを頭に
被
(
かぶ
)
り、ぼろぼろの着物を
纏
(
まと
)
った
乞食
(
こじき
)
らしい男が、
雨傘
(
あまがさ
)
のかわりに
翳
(
かざ
)
しているトタンの切れから
廃墟から
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
▼ もっと見る
小さなその工房は
赤錆
(
あかさ
)
びの金具で埋まったままで足の入れ場もない。店の左手には
上
(
かみ
)
さんの
商
(
あきな
)
いなのか、わずかの柿を台に広げて売っている。金具造りだけではもう暮せないと見える。
思い出す職人
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
人間のよりは平べったい
髑髏
(
どくろ
)
が、三つも四つも、眼の
窪
(
くぼ
)
にほこりを
溜
(
た
)
めてころがっているかと思うと、その下の段には、外科医の使うような、無気味な銀色の道具箱が、半ば
赤錆
(
あかさ
)
びになって
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
赤
常用漢字
小1
部首:⾚
7画
錆
漢検準1級
部首:⾦
16画
“赤錆”で始まる語句
赤錆色