賭碁かけご)” の例文
母の手前そういう訳にもまいりませぬから、渋々しぶ/\我家わがやへ帰り、様子を尋ねますると、友之助という者が大伴蟠龍軒おおともばんりゅうけん賭碁かけごを打って負けましたので、女房お村をられた上に
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うも今日はいやまけが込む。こんな日には賭碁かけごでもしたら気が引立つかも知れない。何うだい、貴公には古松研、拙者には沈南蘋しんなんびんの名画があるが、あれを一つ賭けてみようぢやないか。」
古松研 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
千葉の町の大きな料理屋、万翠楼ばんすいろうの姉娘が、今の主人の、その頃医学生だったのと間違って。……ただ、それだけではないらしい。学生の癖に、悪く、商売人じみた、はなを引く、賭碁かけごを打つ。
木の子説法 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ずいぶん贅沢ぜいたくをやって暮しているが、それはありのように皆、甘い男たちが運んで来るらしい。もっとも初めは指南だけであったが、いつの間にか、賭碁かけごもっぱらになり、そのほうの収益みいりすくなくない。
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うも今日はいやまけが込む。こんな日には賭碁かけごでもしたら気が引立つかも知れない。うだい、貴公には古松研、拙者には沈南蘋しんなんぴんの名画があるが、あれを一つ賭けてみようぢやないか。」
蟠「これ/\友之助、阿部はむかっ腹を立てゝ面白いから一両ばかりけて遣りなさい、慾張ってるから取られるとひたえへ筋を出して面白いから、阿部、紀伊國屋と一両賭けて賭碁かけごうだ」
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)