買被かいかぶ)” の例文
早熟とはいえ、たかが中学三年生の言葉に、そんな意味まで考えようとしたのは、どうやら彼を買被かいかぶりすぎていたようにも思える。
虎狩 (新字新仮名) / 中島敦(著)
だが、僕等は犯人を少し買被かいかぶっていたようだね。パーフェクト・クライムだなんて大きなことを云って、あのざまは何だろう。
これが抑々そもそも欧米列強の支那を買被かいかぶったゆえんであったが、それが日本の力に触れてたちまち薄弱なる実力の遺憾なく外面に暴露され、その買被りたる事が知るると同時に
三たび東方の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
誰も真似手まねてがないというので、わざとひねったお客様が買被かいかぶりをなさるのでございます。
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
万一余を豪傑だなどと買被かいかぶって失敬な挙動あるにおいては七生までたたるかも知れない
自転車日記 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
とうとう不破平四郎は腹をかかえてしまい、買被かいかぶるなと、治郎左衛門を揶揄やゆした。
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「そうサ。自分で高く買被かいかぶってるようなところは有るナ」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
その人を買被かいかぶったり、見そこなったりしないで。
場所が化物屋敷の中だけに、そして、今の今まで、文字通りの闇の中を歩いて来ただけに、博士はついこの見世物の考案者を買被かいかぶったのであった。
悪魔の紋章 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
我が国民の彼に対する買被かいかぶり的同情(この書は大正元年十月刊行。従ってその執筆は民国革命進行中だったことを想起せねばならぬ)をわらい、一転して、当時の世界情勢
斗南先生 (新字新仮名) / 中島敦(著)
僕なども最初はあの老人を信頼して万事を任せていたのですが、今となって考えると、少し買被かいかぶっていたのですね。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)