豪気ごうぎ)” の例文
旧字:豪氣
町が出来る。鉄道がかかるという順序だ。い事でも悪い事でも何でも、皮切りをやるのはドッチミチ日本の女だってえから豪気ごうぎなもんだよ。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「いろいろなものに利きますよ。何でもいいてえんだからね。豪気ごうぎだあね」と云ったのはせた黄瓜きゅうりのような色と形とを兼ね得たる顔の所有者である。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「わたくしこれで段々えらくなってよ。これからは人に馬鹿にせられてばかりはいない積なの。豪気ごうぎでしょう」
(新字新仮名) / 森鴎外(著)
やがて二頭曳にとうびきの馬車のとどろきが聞えると思うと、その内に手綱たづなひかえさせて、緩々ゆるゆるお乗込になっている殿様と奥様、物慣ものなれない僕たちの眼にはよほど豪気ごうぎに見えたんです。
忘れ形見 (新字新仮名) / 若松賤子(著)
長「そういうと豪気ごうぎうちで奢ってるようだが、水洟みずッぱなをまぜてこせえた婆さんの惣菜そうざいよりア旨かろう」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「そいつは豪気ごうぎだ。——少し余分に貰いたい、ここで煮るように……いいかい。」
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「エ、コウ、剣術大名の葬式だけに、豪気ごうぎなもんじゃアねえか」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「へえ、豪気ごうぎいきな所へ住んでいるじゃねえか」
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ふーむ、これ豪気ごうぎだ。金縁きんぶちだね」
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
豪気ごうぎ豪気。」
太郎坊 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「そりゃ豪気ごうぎだ!」