かな)” の例文
よつかなつとに好む所に、永く願はくは人間を辭せん、といつてゐる位に、名山の中にあくまでも浸りたがつた先生である。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
しかれどもかみ和ぎ、しもむつびて、事をあげつらふにかなふときは、すなは事理ことわり自らに通ふ、何事か成らざらむ。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
彼らのうちには古井が磯山に代りしをむのふうありて議かなわず、やや不調和の気味ありければ、かかる人々はいさぎよく帰東せしむべし、何ぞ多人数たにんずを要せん、われは万人に敵する利器を有せり
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)