語気ごき)” の例文
旧字:語氣
猛然もうぜん立ちあがった糟谷はわが子を足もとへたおし、ところきらわずげんこつを打ちおろした。芳輔はほとんど他人たにんとけんかするごとき語気ごき態度たいど反抗はんこうした。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
力ずくでも書類をうばいかえそうと、いきなり泰二君のゆくてに立ちふさがり、「泰ちゃん、おまえなにをするんです。」と、はげしい語気ごきでおしかりになりました。
妖怪博士 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「これッ——」と、民部はしかりつけるような語気ごきで、左右さゆうにふたりのうでくびをつかみながら
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その語気ごきの人もなげなるが口惜しくて、われにもあらず怫然ふつぜんとしていきどおりしが、なお彼らが想像せる寃罪えんざいには心付くべくもあらずして、実に監獄は罪人を改心せしむるとよりは
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
宮川は、矢部の激しい語気ごきにおされて、うしろへ身をひきながら
脳の中の麗人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
語気ごきがするどい。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)