西班牙イスパニア)” の例文
彼女の父なる西班牙イスパニアの貴族マドリド司僧を無残に殺したその憎むべき義明を一思いに殺してしまったのでは勿体もったいないように思うのであった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
めずらしいディアボロ形の砂漏さろうなどが注目されたけれども、油時計や火繩時計のように中世西班牙イスパニアで跡を絶ったものには
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
あるひは兵卒へいそつ頸筋元くびすぢもと駈𢌞かけまはる、するとてきくびゆめやら、攻略のっとりやら、伏兵ふせぜいやら、西班牙イスパニア名劍めいけんやら、底拔そこぬけ祝盃しゅくはいやら、途端とたん耳元みゝもと陣太鼓ぢんだいこ飛上とびあがる、さます、おびえおどろいて、一言二言ひとことふたこといのりをする
総髪を長く肩に掛け、オースチン師の献上物、西班牙イスパニア産の金剛石ダイヤモンドを黄金の鎖にからませて、うなじから胸へ垂らしたのさえ異国めいていて物凄い。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
無念は言葉にも尽せぬが、それより一層恐ろしいのは、この西班牙イスパニア風習ならいとして屍骸なきがらに首のない時は、天界に産れ変わることが出来ないのじゃ。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
支那の言葉、呂宋の言葉、西班牙イスパニアの言葉、ポルトガルの言葉——色々様々の国々の言葉で、四辺は騒々しく活気に充ち、何か今にも面白い事件でも、起こって来そうに思われました。
赤格子九郎右衛門 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)