行状おこない)” の例文
清廉潔白せいれんけっぱくな士道の君主として、今日まで、公私の行状おこないに、些細ささいきずも持たない人であった。顔をうなずかせて、すぐに云った。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
じいさま、それはんでもないことでございます。わたくしなどはまだ修行中しゅぎょうちゅう力量ちからといい、また行状おこないといい、とてもそんな資格しかくのあろうはずがございませぬ。
その天分てんぶんなり、行状おこないなりが各自めいめいちがうからである。ただおうとおもえば差支さしつかえないかぎりいつでもえる……。
汝、それほどに自己の行状おこないを恥じるならば、なぜ、ここへ出て、両手をつかえ悔悟かいごの真実を示すなり、世上へ謝罪の法を執るなりせぬか。それとも、異論あらば、論議するか。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お父上にも、そなたにも、婚儀の前に、こんなご苦労をかけながら、何で、薄情でおられましょうか。ただ、郁次郎がきょうまでの行状おこないを、貴女あなたが疑ってさえ下さらねば……」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)