蟲干むしぼし)” の例文
新字:虫干
富豪ものもちいへでは蟲干むしぼしで、おほきな邸宅やしきはどの部屋へやも一ぱい、それがにはまであふれだしてみどり木木きゞあひだには色樣々いろさま/″\高價かうかなきもの がにほひかがやいてゐました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
其夏の事なりし師匠ししやう感應院のともして和歌山の城下なる藥種屋市右衞門やくしゆやいちゑもん方へ參りけるに感應院はおくにて祈祷の内寶澤はみせに來り番頭ばんとう若者もみな心安こゝろやすければ種々さま/″\はなしなどして居たりしかるに此日は藥種屋にて土藏の蟲干むしぼしなりければ寶澤もくら二階にかいへ上りて見物せしがつひに見もなれざる品を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)