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虚仮
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こけ
ふりがな文庫
“
虚仮
(
こけ
)” の例文
「親分、こう言ったわけだ。三輪の親分に
虚仮
(
こけ
)
扱いにされても腹は立たねえが、親分の事まで何とか言われちゃ我慢がならねえ。それに——」
銭形平次捕物控:031 濡れた千両箱
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
総て
虚仮
(
こけ
)
といって飾る心で称える念仏では往生は出来ない。飾る心がなくして、真の心で申さねばならぬ。
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
我が大王の告げたまふところに、世間は
虚仮
(
こけ
)
、
唯
(
た
)
だ仏のみ
是
(
こ
)
れ真なりと。
其
(
そ
)
の法を
玩味
(
ぐわんみ
)
するに、我が大王は
応
(
まさ
)
に天寿国に生れまさむ。
而
(
しか
)
も彼の国の形は眼に
看叵
(
みがた
)
き所なり。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
「知らねえど思って、何んぼでも
虚仮
(
こけ
)
ばいいさ。何処の世界に、黒い鵞鳥だなんて……」
黒い地帯
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
これは仏教の言葉でいえば
虚仮
(
こけ
)
というのだろうと思います。虚偽と真実であります。
生活と一枚の宗教
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
▼ もっと見る
果して
若
(
も
)
しそうなら、その人生の贅沢の道具に使われている葛岡は勿論のこと、葛岡のヒューマンのために義憤を起したつもりのわたくしまで、このくらい
虚仮
(
こけ
)
な役割りはございますまい。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
エヘッ 酒を忘れたんで みんな
虚仮
(
こけ
)
の思案さ
人間失格
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
虚仮
(
こけ
)
不実のわが身にて
親鸞
(新字新仮名)
/
三木清
(著)
これは日本橋通三丁目の
上総屋
(
かずさや
)
という糸屋の一人娘で唄の文句にあるような綺麗さ。佐野求馬は
虚仮
(
こけ
)
の一心で、死ぬの生きるのという騒ぎを起したのも無理のないことでした。
銭形平次捕物控:131 駕籠の行方
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
虚仮
(
こけ
)
の者は往生しないというのはどのように心得たらよろしゅうございますか」
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
態度が思いの外気さくで、流行神に付きものの
虚仮
(
こけ
)
おどかしな
尤
(
もっと
)
もらしさはありません。
銭形平次捕物控:088 不死の霊薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「さあ、それは本物ではあるまい。
虚仮
(
こけ
)
の行者だろう」といった。
法然行伝
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
お楽は恐る恐る
樽
(
たる
)
の呑口を
捻
(
ひね
)
って、地酒といっても自慢のを一本、
銅壺
(
どうこ
)
へ
投
(
ほう
)
り込んで、さっそくの
燗
(
かん
)
をすると、盆へ
猪口
(
ちょく
)
を添えて、
虚仮
(
こけ
)
がお
神楽
(
かぐら
)
の真似をする恰好で持って出ます。
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「こんな手数のかかる謎々が、
虚仮
(
こけ
)
や狂人の智恵で
拵
(
こしら
)
えられるものか。来いッ八」
銭形平次捕物控:115 二階の娘
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“虚仮”の意味
《名詞》
虚仮(こけ)
(仏教)内心と外面が一致しないこと。
思慮が浅く、愚かなこと。また、そのような人。
(出典:Wiktionary)
虚
常用漢字
中学
部首:⾌
11画
仮
常用漢字
小5
部首:⼈
6画
“虚仮”で始まる語句
虚仮威
虚仮脅