藩中はんちう)” の例文
尋ねしにこの夫婦の者浪人せしは其頃越後高田の城主じやうしゆ松平越後守殿まつだひらゑちごのかみどの藩中はんちうにしてたか二百石をりやう側役そばやくつとめし者なるが女房は同藩の娘にてお梅といつて是も奧を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こゝ備前國びぜんのくに岡山御城主高三十一萬五千二百石松平伊豫守殿いよのかみどの藩中はんちう松田喜内まつだきないと云ふ者あり代々岡山に住居ぢうきよせしが當時の喜内は壯年さうねんなるに兩親をうしなひ未だ妻をもめとらず獨の妹お花と云るを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さてまた大橋文右衞門は久々にて稻葉丹後守殿藩中はんちうへ行一別以來の挨拶あいさつに及び扨拙者儀浪人らうにんの後斯樣々々の次第に因て困窮こんきうなし餘儀なくいへ重代ぢうだいの品も質入なせし處此度月切に相成既に流れんとの趣き度々たび/\催促さいそく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)