薄々うす/\)” の例文
勤居つとめゐたりしに若氣わかげあやまちとて不義密通ふぎみつつうに及びし事薄々うす/\かみへも聞え御家法ごかはふに依て兩人の一命をも召さるべきのところ同藩にて五百石をりやう物頭役ものがしらやく
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「金之助はお春を憎んでゐた、——お春はまた、近頃薄々うす/\金之助の素姓を見破り、あれを女の子と氣が付いてゐたらしい」
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
道具だうぐつて出掛でかけることも、女房にようばう薄々うす/\つてたのである。
夜釣 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「そんなことも薄々うす/\は存じてをります。」
村中にても薄々うす/\知て居る者あれば幸ひと引取り親子共に夫婦となりける又おせんも我身わがみあかりもたち傳吉へ金ももどりし上は人々にいとまを告げ野尻のじりへ立ち歸りぬ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
重役共薄々うす/\聞込きゝこみ捨置すておかれずと既に兩人ながら一命にもかゝはるべき場合に立到り候に付き某し不便ふびんに存じ二十兩の金をめぐみ助けて遣はせし所江戸表へ罷り出でたるよし然るに其後そののち私し儀八ヶ年以前越後家を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)