蒼黄色あおぎいろ)” の例文
蒼黄色あおぎいろい顔——畜生——牡丹の根で気絶して、生死いきしにも知らないでいたうちの事がうつつあらわれて、お腹の中で、土蜘蛛つちぐもが黒い手を拡げるように動くんですもの。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
く息あたかもにじのごとしで、かッと鼬に吹掛ける。これとても、蜉蝣ぶゆを吸うような事ではござらん、かたのごとき大物をせしめるで、垂々たらたらと汗を流す。濡色が蒼黄色あおぎいろに夕日に光る。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
崖にはむらむらともやが立って、廂合ひあわいから星が、……いや、目の光り、敷居の上へ頬杖ほおづえいて、ひきがえるのぞいていそうで。婦人おんながまた蒼黄色あおぎいろになりはしないか、とそっと横目で見ましたがね。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)